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Re-LEATHER PROJECT想いをつなげる、イビサのレザーワーク
サステナブルであることは、現代の新しい常識です。今の社会では“新しい”ですが、イビサにとってはそれは1965年の創業当時からの常識です。革という素材に感謝し、無駄を出さないよう、手間を惜しまず人の手を使い、知恵を絞って解決するーー その心がけを忘れず、今日まで歩んできました。時代に合わせて表現を変え、伝えてきたその想いを端革をパッチワークしたバッグで繋いでいきたいと考えています。


レザーバッグができるまで
イビサで使用しているレザーは、食用の副産物である動物皮を植物の樹皮から抽出したタンニンを含む液で時間をかけて浸透させる植物タンニンなめしで製品革に仕上げたもの。C o 2や水質汚染にも配慮した環境にやさしい手法を選択しています。そんな自然の恵みから生まれている天然革だからこそ感謝して使いたい、まずそれが根底にあります。


通常イビサのレザーバッグは大きな一枚革からいくつかのパーツを裁断し、それを縫い合わせて仕上げていきます。当然のことながら一枚革の端の部分が少し薄くなったり波打っていることや裁断の取り都合によって、大きな面で革を使うバッグをつくるときには革の切れ端=端革が出てしまいます。普段からその端革を捨てることなく、バッグのファスナーの引き手などのごく小さなパーツに使ったり、ノベルティ制作などに利用し、できる限り無駄にしない。そのこだわりはサステナブルのなかでも皆さんがフードロスに抱く感覚に近いかもしれません。
サステナブルなパッチワーク技法
その端革を使って、もっと新しい価値を持つバッグをつくれないものか……デザイナーはじめ、スタッフの英知を結集して生まれたのが「Re-LEATHER PROJECT」です。“限りある資源を最大限に利用し、良いものを長く使用してほしい”という視点を持って日々行動しているイビサでは、端革を縫い合わせるパッチワーク技法は古くから行っていましたが、当たり前のこと過ぎて特別に強調するまでもないことと感じていました。けれど世の中のサステナブルへの意識の高まりとともに、あらためてイビサの取り組みを知っていただく良い機会が訪れました。
昨年はスペインのモザイクタイルにインスピレーションを得たスクエアパーツでカラフルなバッグを展開。今年はさらに考えを深め、端革である以上スクエア以上に無駄を出さないパーツとして考案されたダイヤモンドシェイプを単色使いでパッチワークしたバッグに。製作でいちばん苦心したのは、パーツを合わせる部分に配した細いレザージョイント。楽をしようと思えば、単にパーツ同士を縫い合わせればいいだけ。そこをあえて手間のかかる方法をとったのは、端革に新たな命を吹き込みたいというクリエイティヴィティにほかなりません。できるだけ繊細なデザインを求め、1.5ミリから徐々にトライし、最終的に1.1ミリまで細くすることに成功。これは縫製時に1ミリでも狂わせることができないため、熟練の職人技なくしては成り立ちません。


ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使用されたいというお客様の声に応え、ハンドルは長さ調整が可能なベルト形式に。そしてバッグのフォルムデザインにもダイヤモンドシェイプを取り入れようと、持ち手部分を菱形のシルエットに仕上げました。カットされたハンドル部分の空間によって、厚手のアウターを着ている時でも腕を通しやすいという利点を生み出したのです。
経年変化を楽しむバッグ
このダイヤモンドシェイプの端革は、革の表情を人の眼で見極めながら一枚ずつカットしています。通常のレザーバッグではシボ具合をできるだけ合わせ一つのバッグにしていきますが、パッチワーク技法ではシボや色ムラなど、いろいろな革を一つのバッグに組み込むほうが表情豊かに見せることができます。日本のほとんどのバッグメーカーではこうした細かい作業をプロセスごとに他社の専業工場に委託していますが、イビサは一貫生産できる自社工場を持っているため、これらの綿密な取り組みが可能なのです。